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AI時代に数学は本当に必要?
〜「必要らしいけどピンとこない」非エンジニアが、まず最初に持つべき視点〜

「これからは数学も大事だぞ」…. そう言われても、正直ピンとこない

会議でAI導入の話が出たとき、上司がこう言い放つ。

「これからは数学的な素養も大事だぞ」

なんとなく頷いてはみたものの、心の中では「いや、自分エンジニアじゃないし……」と思っている。
そんな経験はありませんか?

最近、AIの普及とともに「これからは数学が重要だ」という声をあちこちで耳にするようになりました。
社員にデータリテラシーの学習を促す企業も増えています。

2025年12月には、AI活用を見据えた高校数学カリキュラムの再編案が報じられました。
統計・データサイエンス領域の比重を高める方向で、国としてもAI人材育成に本腰を入れ始めています。

社会全体が「数学の方」を向き始めている。それは、なんとなくわかる。

でも、現場の実感はまだこうではないでしょうか。

「数学を知らなくても、AIツールは普通に使えてるけど?」
「正直、今の業務で困ったことがない」

そして厄介なのは、これらが完全に間違いとは言い切れないということです。

実際、AIを「使うだけ」なら数学がなくても回ります。

プロンプトを書いて、出てきた答えをコピーして、資料に貼る。
それで十分に思える場面は確かにあります。

では、なぜ「数学が重要だ」と言われ続けているのでしょうか。


「必要だ」と言える人は、すでに腹落ちしている

もちろん、その理由を述べている書籍やネット記事はたくさんあります。
AIに聞いてもそれなりの回答が返ってくるでしょう。

ただ、その答えで本当に「腹落ち」できましたか?
まあ、そうなんだろうな」で終わっていませんか?

ここで一つ、気づいたことがあります。

「AI時代には数学が必要だ」と自信を持って語れる人たちは、たいてい、AIの挙動がなぜそうなるのか、どこが限界で、どこが危ういのかを、数学を通して一度は腑に落とした経験がある人たちです。

彼らは、数学というレンズを通してAIを見た時に「景色がクリアになる快感」を知っています。

だから自信を持って「必要だ」と言います。つまり、

数学の必要性を実感できている人だけが「必要だ」と言えている

逆に言えば、数学に触れていない状態では、その「快感」も「必要性」も実感しようがないということです。

ここに大きな断絶があります。

これは一見すると、循環した話に聞こえるかもしれません。
「わかるためには、わかる必要がある」と言っているようなものですから。

でも、実際にひとつ例を見てみると、この感覚が少しつかめるはずです。


たった一つの例で、景色が変わる

たとえば、ChatGPTにこう頼んだとします。

「この売上データの傾向を分析して」

返ってきた答えは、「全体として右肩上がりの傾向が見られます」。

数学的な視点がまったくない状態では、「ふーん、上がってるのか」で終わります。
AIがそう言ってるのだから、そうなんだろう、と。

でも「回帰」や「相関」の考え方をほんの少しだけ知っていると、こんな問いが自然に浮かんできます。

「その右肩上がりって、どの程度信頼できるの?」
「たまたま外れ値に引っ張られてるだけじゃない?」
「そもそも直線的に伸びてるの?途中で傾き変わってない?」

この「問い返せるかどうか」が、AIの出力を鵜呑みにする人と、判断材料として使いこなす人の分かれ目です。

ここで重要なのは、別に回帰分析の数式を自分で解ける必要はないということです。

「回帰ってこういう考え方なんだな」
「相関が高いからといって因果とは限らないんだな」

このレベルの理解だけで、AIとの向き合い方は明確に変わります。

数学を完全にシャットアウトしていると、AIはずっと「なんかよくわからないけど賢いプログラム?」のまま。
便利だけど根拠はわからない。わからないから、評価も判断もなんとなくの雰囲気に頼みになる。

これは才能やセンスの問題ではありません。

単に、視点を一つ持っているかどうかだけの違いです


このブログが目指す、非エンジニアのための「ちょうどいい数学」

だからこのブログでは、「数学は必要だ」と説得するつもりも、「勉強しないとヤバい」と煽るつもりもありません。ただ、

少し知ってみたら、後から必要と言われる理由がわかってきた

そういう体験を、できるだけ多くの方と共有していきたいと思っています。

ここで扱うのは、学問としての数学ではありません。
厳密な定義や、数式を積み重ねる証明は専門書に任せます。

その代わり、このブログではたとえばこんなテーマを扱っていきます。

  • AIが出した分析結果を「鵜呑みにしない」ために知っておきたい確率の基本イメージ
  • 「このAI、なんで間違えたの?」を考えるための、最小限の線形代数の考え方
  • プロンプトの工夫だけでは超えられない壁と、数学的リテラシーの関係

数式は最小限。図やたとえ話を多用して、「あ、そういうことか」という瞬間を一つでも増やすことが目標です。

ただし、少し数学的に踏み込んだ方がいいと、著者個人が感じた場合は、捕捉的な記事も書いていくつもりです。

「なんとなく使っていたAIの裏側で、こんな考え方が動いていたのか」

そんな発見を、ゆるく、でも確かな手触りのある形で届けていきます。

まずは一記事、覗いてみてください

数学は、理解してから「重要だったんだ」と気づく、少し厄介なツールです。

少し触れてみて初めて「なるほど、だから必要なのか」と実感できるもの。

頭で理解する前に、「あ、そういうことね」と感じる瞬間がある。

このブログは、その瞬間を一つずつ積み重ねていく場所です。

まずは気になるテーマから、一記事だけ読んでみてください。
わからない」が「わかるかも」に変わる瞬間があるかもしれません。

「なんだ、そういうことだったのか」

この一言を引き出すために、記事を書いていきます。

プロフィール:運営者について

ゆるめと

「ゆるめと」と申します。
よろしくお願いいたします!

  • インフラ寄りのフリーランスエンジニア。
  • AIエージェント開発を軸に、オンプレ/クラウドやコンテナ領域でのインフラ構築、自動化ワークフローの設計・実装に日々取り組んでいます。
  • 興味分野はデータサイエンス・統計学・機械学習・LLM活用と、それらを支えるインフラ技術全般。
  • 個人では、ローカルLLM/RAG/マルチエージェント等の実験や、LLMのファインチューニングなども継続的に学習・実践中です。
  • 本ブログでは「AI時代における数学の意味」をテーマに、直感的な説明と具体例を重視した情報発信をしています。
  • 保有資格:G検定、E資格、統計検定準一級